ドッグフードのパッケージ裏にある「給与量一覧表」。多くの飼い主さんが、この表を見て毎日のご飯の量を決めていると思います。
しかし、獣医師やトレーナーの間では「袋の表示通りにあげると太ることが多い」というのは公然の事実です。
なぜ、メーカーの推奨量は「多すぎる」ことが多いのでしょうか?
1. 「平均的な犬」は存在しない
パッケージの表は、あくまで「未避妊・未去勢」で「標準的な運動量」の犬を基準に作られていることがほとんどです。しかし、日本の家庭犬の多くは:
- 避妊・去勢手術済み(→ 代謝が落ちる)
- 室内飼育がメイン(→ 運動量が少なめ)
- シニア期に入っている(→ 必要カロリーが減る)
という条件に当てはまります。つまり、パッケージの想定よりも実際の消費カロリーは低いケースが圧倒的に多いのです。
2. メーカーの「安全率」というロジック
もしメーカーがギリギリの少ない量を推奨して、犬が痩せ細ってしまったらクレームになります。そのため、メーカーは「これだけあげれば絶対に栄養不足にはならない」という、少し多めの安全マージンをとった数値を記載する傾向があります。
これは製品として正しい姿勢ですが、ダイエットが必要な現代のワンちゃんにとっては「罠」になりかねません。
袋の表示 vs 個別計算:どれだけズレる?
| 条件 | 袋の表示量(目安) | 個別計算の適正量 | 差 |
|---|---|---|---|
| 未去勢・活発な成犬 | 100g | 95g | ほぼ同じ |
| 去勢済み・普通活動 | 100g | 80g | 20g少なく |
| 去勢済み・運動少なめ | 100g | 65g | 35g少なく |
| シニア・去勢済み | 100g | 55g | 45g少なく |
この「35〜45g」の差が毎日積み重なると、年間で5〜10kg以上の余分なカロリーを与えていることになります。
「体重」ではなく「個体差」で計算する
本当に正しい量を出すには、体重だけでなく、以下の要素を数式(係数)に組み込む必要があります。
- 年齢(パピー?成犬?シニア?)
- 状態(避妊去勢済み?妊娠中?)
- 体型(太り気味?痩せ気味?)
- 活動量(散歩時間・運動の強度)
これらを掛け合わせた「活動係数」を使って計算しない限り、適正量は出せません。袋の裏を見るのは、カロリー(kcal/100g)を確認する時だけでOK。給与量の決定は、パッケージの表ではなく、愛犬のデータに基づいた計算結果を信じてください。







